前回の記事では(https://www.barrierfreenavi.go.jp/closswalk/2183968.html)、道路上のバリアなどの情報をさまざまな用途に使えるように集積した歩行空間ネットワークデータについてご説明しました。
今回は、そのデータを実際に使うとどんなことができるのか、実例をご紹介します。
東京オリ・パラの会場までのルートガイドアプリ「Japan Walk Guide」
昨年開催された東京2020オリンピック・パラリンピックにあわせて、主に競技会場周辺などの歩行空間ネットワークデータが整備されオープンデータとして公開されました。そのデータを活用し公開されたのが「Japan Walk Guide」というWebアプリです(現在はサービス終了)。
「Japan Walk Guide」は、出発地の最寄りの駅から会場最寄り駅までの公共交通の乗換情報、会場最寄り駅から会場までのバリアフリー徒歩ルートの情報、多機能トイレや休憩所など車いすで利用できる周辺施設の必要な情報をワンストップで提供。
会場を訪れる観客だけでなく、開催を支えるボランティアの方々などが活用しました。
「Japan Walk Guide」では、バリアフリー情報通信技術「MaPiece®(まっぴーす)」を使用し、利用者からの情報の取得や正誤投稿の反映などを実現しました。また、更新したデータはサービス終了後も他サービスへの活用が可能となっています。
蓄積されたデータを次に活用する「ココシルバリアフリーナビ」
上述の「Japan Walk Guide」は期間後にサービスを終了しました。しかし、会期中にも更新され蓄積されたデータはそのまま消えることなく次のサービスへと継承されています。それが、「ココシルバリアフリーナビ」です。
「ココシルバリアフリーナビ」は、歩行空間ネットワークデータの情報を効果的に活用することにより、使う人の属性に対応した最適な経路検索、経路案内が可能なアプリです。
車いすやベビーカー利用者、高齢者、聴覚障害者など個人の特徴に合わせて、階段や段差・横断歩道の有無の選択ができるので、訪れたことのない場所でも不安を感じることなく訪れることができます。
ルートのナビゲーションは音声でも可能
地図の表示だけではなく、音声でのナビゲーションがついてるため手元が見られない場合でも安心して使用することができます。
「Japan Walk Guide」のデータを「ココシルバリアフリーナビ」を活用したように、歩行空間ネットワークデータを活用することでバリアフリー情報に関するサービスの提供もしやすくなります。データの充実やさまざまなサービスへの応用によって、未来の歩行空間がより便利で利用しやすくなるでしょう。