街のバリアフリー情報をつくろう! 歩行空間ネットワークデータができるまで

 歩行空間ネットワークデータとは、街の中で人が移動する経路上に存在するさまざまなバリア情報のデータベースです。道路に存在するさまざまなバリア(道幅が狭くなっている、段差がある、勾配が急である、など)の情報が集積されています。データは無償で公開されており、障害者が移動する際の最適なルート検索をするなどのサービスに役立てることができます。

 これまでの記事で、2回にわたって歩行空間ネットワークデータがどんなものか実際にどう役立っているかを紹介してきました。今回は、データの入力の流れについて詳しくご紹介します。 

歩行空間ネットワークデータを活用すれば、バリアフリーなルートの案内などができます(歩行空間ネットワークデータ等整備仕様案

歩行空間ネットワークデータへの情報の登録はツールから

 歩行空間ネットワークデータは、いろいろな人たちが自分の生活圏のデータを入力することによりできあがります。

「ここに何cmの段差がある」「ここは道幅が狭くなっている」といった具合に、歩行空間に存在する段差や幅員(道の幅)などの移動を困難にする要素を地図上にまとめていくのです。

 そのデータの入力は、「歩行空間ネットワークデータ整備ツール」を使用することにより可能となります。

データ整備ツール操作画面

データ整備ツール 入力方法

 データは、段差や道幅の広さなどのバリアフリーに関連する情報を付与した「リンク」と、そのリンクが結びつく地点の「ノード」という2つの要素で構成されています。

 入力するデータにはさまざまな項目があります。例えばノードの項目では、その地点の階層数や施設の内か外かといった要素があります。

ノードの選択項目

 また、道の情報であるリンクでは、どんな道なのか、段差やエレベーターの有無などのさまざまな情報を入力することができます。例えば道路の幅員(広さ)が詳しくわからなくても、1m未満・1m以上〜2m未満など、おおよその数値を選択することが可能となっています。段差に関しても同じように、正確な数値を入れる必要はありません。

エレベーターの種類

 エレベーターなどは詳しい情報を入れる必要があります。バリアフリーに対応しているか、車いす使用者対応しているかなど、詳細な情報を選ぶことができます。

バリアフリー情報のオープンデータ化推進のために


 データ整備ツールの利用も無償で可能です。入力自体は簡単に行うことができ、どなたでも情報を入力することが可能です。小学生や高校生が身近な街の情報を入力した実証実験の様子は、以前の記事でお伝えしました。

 歩行空間ネットワークデータでは、自分の入力した情報がバリアフリー情報としていろいろな人の手助けにつながっていきます。データが充実すればするほど、より多くの場面で役立つものになっていくのです。

 ツールの使用には申請を行う必要があります。自分でもぜひデータのに有力をしてみたい、という方は申請窓口から申請を行ってみてはいかがでしょうか。